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マイクロレンズアレイをモールド成形により作製!!

新製品
2006.02.13

情報通信社会の現代において今後、情報伝送容量の増大が予想されることから光ネットワークの重要性が増してきている。その中で、光の並列性を活用して莫大な情報を送るために、2次元に集積可能な並列光デバイスとしてマイクロレンズアレイが注目されている。

マイクロレンズアレイは、レンズ形状の高均一化と配列位置の高精度化技術が必要であり、ガラスを材料としたマイクロレンズアレイでは、微細な形状と高い精度をあわせもつ事が困難であった。

今回我々は、ガラス材料を用いて240 µmと微小なレンズ径で、SAG量は25 µm、ピッチ間距離は250 µm、レンズが1×12個のマイクロレンズアレイをモールド成形により作製することができた。

ガラスのモールド成形は、通常500~600°Cの高温度での作業となるため、金型材料には超硬合金やセラミックスなどの耐熱材料が使用されているが、それらの材料は精密加工が困難なためレンズ形状は制約されていた。我々は、成形温度が通常の硝材に比べて325°Cと低温であるK-PG325を用いることで、金型に形状加工性が良好で低価格な材料を用いることができた。

今回作成したものはコリメートレンズであり、Fナンバーは2.5、NAは0.2である。形状は非球面で近軸Rは296 µmである。
形状測定の結果、ピッチ間距離、SAG量は±1 µmと精度が高いものであった。両面にARコート膜を処理しており、1550±50 nmの波長領域において反射率は0.25 %以下である。

ガラスのモールド成形でマイクロレンズアレイが作製できたことから、低コストで大量生産が見込め、プラスチックの成形品では使用不可能な環境下においての用途が大いに期待される。

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