ナゼ太郎の部屋

マスコットのナゼ太郎がSUMITAの裏の裏まで徹底取材

ナゼ太郎博士の光学ガラス入門講座

第4回 光学ガラスのつくりかた 〜製造編〜

  • マトちゃん
    博士、前回の講座の続きだよ。
    原料の調合が決まったらどうするの?
  • ナゼ太郎
    原料が決まったら、それを熔かすんだ。
    ものすごく高い温度じゃないと、ガラスは熔けないから、 工場の人は暑さとの戦いで大変なんだよ。
  • マトちゃん
    テレビで、ガラス工房の映像を見たことがあるよ。
    そこは光学ガラスじゃないけど、やっぱりものすごく暑そうだった!
    熔けたガラスは、ドロドロだったよ。
  • ナゼ太郎
    そう。ガラスは固体でも液体でもない、中間の「流体」と言われているんだよ。
  • マトちゃん
    エッ! ガラスって固体じゃないの?
  • ナゼ太郎
    意外だろう? 今度友達に教えてあげるといいよ。
    原料を熔かす方法は、ガラスの種類によって色々あるんだけど、
    プラチナで作った坩堝(るつぼ)といわれる壺の形をした入れ物に入れて、 火にかけて熔かすんだ。
  • マトちゃん
    プラチナ・・・ってあのアクセサリーとかで使う、あのプラチナ?
    すごく高価なんでしょう? もったいないよ!
  • ナゼ太郎
    ハハハ。そうだね。
    でも、ガラスを熔かすためには1200℃~1400℃の高温が必要なんだ。
    そうすると、"るつぼ"自身が熔けてしまって、苦労して作った不純物の少ない光学ガラスの中に混ざってしまう。
    プラチナは高温でも熔けづらいから、 それを防ぐためにプラチナで作った"るつぼ"を使うんだよ。
  • マトちゃん
    失礼だけど、そんな高価なものがある工場には見えないなぁ・・・
  • ナゼ太郎
    ハハハ。私もそう思うよ。
    だけど万が一を考えて、最新の設備で泥棒が入らないように注意しているし、
    プラチナ"るつぼ"は、使わない時、銀行の貸金庫の中に厳重にしまい込むんだ。
  • マトちゃん
    へぇ~面白い!
  • ナゼ太郎
    ちょっと話が横道にそれてしまったね。
    話を元に戻すけど、熔かしたガラスを、色々な形で冷やして固まらせるんだ。
    原料の調合がうまくないと、冷えながら結晶になって、濁った石のようになってしまうんだよ。
  • マトちゃん
    これで光学ガラスのできあがりだ!
  • ナゼ太郎
    それが違うんだ。
    この中には、空気の泡や、脈理(みゃくり)と呼ばれるすじが入っている欠陥品がどうしてもできてしまう。
    それを人が一つ一つ目で見て、取り除くんだよ。
    これで光学ガラスのできあがりだ。
  • マトちゃん
    一つ一つ目で見るの!?
  • ナゼ太郎
    ハハハ。
    でも、一つ一つ人の目でチェックすることで、高い品質を保たれるんだよ。
  • マトちゃん
    そうか!
    ありがとう博士。ボクも光学ガラスの作り方がわかったよ!
  • ナゼ太郎
    どういたしまして。
    大体わかったところで、次の講座はもう少し詳しく勉強してみようか。
  • マトちゃん
    うん!